ブルーベリーといえば目によい食べ物として有名になりました。
日本ではブルーベリーの効果が認められていないため、あくまで健康食品として販売されていますが、ヨーロッパではブルーベリーの抽出物を近視、夜盲症、眼精疲労などに医薬品として利用されています。
ブルーベリーの成分の中でも「視力の改善に効果がある」といわれる有効成分はアントシアニンと呼ばれるもので、実はこのアントシアニンもポリフェノールの1つなのです。
アントシアニンはポリフェノールの中でもフラボノイドの一種で、植物の赤紫色の色素成分です。
ブドウなどベリー類やナス、赤キャベツ、ムラサキイモなどが赤紫色をしているのは、このアントシアニンによるものなのです。
アントシアニンは太陽から降り注ぐ有害な紫外線を吸収して、紫外線が内部に侵入しないように防ぐという重要な働きをしているのです。
アントシアニンはアントシアニジンという化学構造に糖や糖鎖が結びついたものです。
このアントシアニジンのベンゼン環に結びつくヒドロキシ基(OH基)の違いによってベラルゴジニン、シアニジン、デルフィニジンの3系統に分類され、さらに糖鎖の構成によって400種類以上のアントシアニンがあります。
アントシアニンは目に入ってきた光に情報をキャッチして脳に伝える役割をしている網膜にあるドロプシンの再合成を行うことで、目の疲れを改善し、視力を回復させる働きをしています。
これが一般に「目によい」と言われる理由です。
ただし、アントシアニンの効果は眼精疲労、視力回復だけではなく、その強い抗酸化力で活性酸素を除去し、血液をきれいにする作用があるため、ヨーロッパでは脳血管障害などにも医薬品として使用されています。
ブルーベリーには15種類もの多種類のアントシアニンが含まれていて、特に活性酸素を除去する抗酸化作用の強いデルフィニジンやシアニジンが多く含まれているという特徴があります。
中でも野生種のビルベリーは、一般栽培種のブルーベリーの約5倍ものアントシアニンが含まれているため、健康食品には概ねビルベリーが使用されています。
また、ブルーベリーにはアントシアニン以外にも性質の異なる多種多様なポリフェノールが含まれていて、タンニン酸の一種であるプロアントシアニジンやフラバノール、ケルセチン配糖体、フェノール酸なども含まれています。
野菜・果物の中でもブルーベリーのポリフェノール含有量はトップクラスです
さらに、ブルーベリーには抗酸化力のあるビタミンも比較的多く含まれています。
脂溶性抗酸化ビタミンであるビタミンEやビタミンA、水溶性抗酸化ビタミンであるビタミンCによってポリフェノールの抗酸化作用にいっそうの相乗効果が期待できます。
ブルーベリーは、目によい食材として知名度が高いですが、それ以上にその強い抗酸化作用のほうをもっと注目、評価されるべき食材ではないでしょうか?