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カロテノイドとは?

カロテノイドとは、動物や植物が持つ赤色や橙色、黄色の色素の総称で、自然界に600種類以上が見つかっています。
カロテノイドは、植物の光合成に寄与しており、また光合成や紫外線によって発生する活性酸素から身を守るために蓄えた成分で、例えばニンジンやカボチャなど緑黄色野菜の色がカロテノイドです。
ちなみにニンジンのキャロット(carrot)がカロテンの語源です。
動物は体内でカロテノイドを合成することができないため、食べ物から摂取しなければなりません。
動物でもカニやエビの殻や鮭の身のピンクがかった橙色のように、カロテノイドを持つものもいますが、それらは体内で合成したものでではなく、食べ物中に含まれるカロテノイドを代謝・蓄積したものです。


カロテノイドの特徴

カロテノイドは、化学構造的にはC40H56という基本構造式を持つもので、炭素と水素のみでできているものはカロテン類といいます。
カロテン類のうちのカロテンは動物に吸収されるとビタミンAに変換されるため、「〜の前」という意味のプロ(pro)をつけて「プロビタミンA」と言われています。
一方、カロテン類の化学構造の水素原子がヒドロキシ基(OH基)や酸素原子(O)に置き換わったものはキサントフィル類といいます。


β-カロテン

カロテノイドは化学構造に二重結合を多く含むのですが、この二重結合は電子を多く含むことから反応しやすく、抗酸化作用も強いという特徴があります。
かつてはカロテノイドといえば体内でビタミンAに変換されることで、その効果を発揮すると考えられていましたので、ビタミンA活性の高いβ-カロテンがカロテノイドの代表的存在でした。
しかし、生活習慣病がおこる原因として活性酸素の影響が大きいことが明らかになってくると、カロテノイドそのものが持つ強い抗酸化作用が注目されはじめたのです。
ただし、一種類のカロテノイドだけでは抗酸化作用の効果が低く、複数のカロテノイドを併せて摂取することによる相乗効果で強い抗酸化力が発揮されるといわれています。
カロテノイドはアブラになじみやすい脂溶性抗酸化物質であるため、脂肪と一緒に摂取すると吸収されやすく、また、脂質で構成されている細胞膜の酸化を防いでくれます。


カロテノイドの種類

カロテノイドは、ほとんどの植物に含まれており、自然界に600種類以上見つかっていて、我々が普段の食事で摂取している野菜や果物等にも約50〜60種類のカロテノイドが含まれています。
そのうち、33種類が体内に吸収・代謝されて、ビタミンAに変換されたり、抗酸化作用で活性酸素を除去したりと、液中や細胞膜で重要な働きをしています。


種類 多く含む素材 特徴
カロテン類 α-カロテン ニンジン、カボチャ、グリンピース 赤黄色色素
β-カロテン ニンジン、カボチャ、ほうれん草、ブロッコリー、ピーマン、トマト 黄色色素
リコピン トマト、スイカ、柿 赤色色素
キサントフィル類 ルテイン ほうれん草、ブロッコリー、キャベツ 黄色色素
ゼアキサンチン とうもろこし、卵黄、オレンジ 黄色色素
アスタキサンチン 甲殻類の殻、鮭の身 赤色色素
カプサンチン 赤ピーマン、赤唐辛子 赤色色素
β-クリプトキサンチン 柑橘類、トウモロコシ 橙色色素

カロテノイドの摂取目安量は?

カロテノイドはいろいろな種類を組み合わせて1日6mg摂取することが推奨されます。
厚生労働省が掲げる21世紀の国民健康づくり運動「健康日本21」において、野菜の1日摂取目標量350mg以上、うち緑黄色野菜120mg以上としており、これをクリアすればおおむねカロテノイド1日6mg摂取できるでしょう。
また、カロテノイドは紫外線による害から身を守るために造られる成分ですので、よく日に当たって完熟のものほど含まれるカロテノイドの量も多くなります。
ですから、カロテノイドをより多く摂取するためには、より色の濃い野菜や果物を選ぶようにしましょう。