ビタミンCというと、しみやそばかすなどを防いだり、肌の弾力を保ってしわをできにくくしたりといった美容成分のイメージが定着しています。
しかし、ビタミンCは美容に関することだけでなく、私たちの体の機能を維持するためのたくさんの働きを担っており、その働きは50種類以上あるといわれています。
そして、抗酸化作用はビタミンCの大切な働きの1つなのです。
ビタミンCは水に溶ける性質を持つ水溶性抗酸化物質で、細胞内部や血液中のように水分が主成分である場所の酸化物質と非常に強い還元力で反応して抗酸化作用を発揮します。
植物においては光合成によって多量に発生する活性酸素を除去するためにビタミンCの抗酸化作用が必要であるため、野菜や果物にはビタミンCが多く含まれているのです。
このようなビタミンCの抗酸化作用を期待して私たちの身の回りの食品にはビタミンC
が使用されています。
というのは、食品が空気中の酸素と反応すると酸化されて色や臭いが劣化します。
この食品の変質を防止し品質を長持ちさせるために、多くの食品の添加物として天然由来の抗酸化物質であるビタミンCがよく使用されているのです。
また、ビタミンCは直接酸化物質と反応して抗酸化作用を発揮するだけでありません。
私たちの体を維持するために行われる代謝の過程では必ず活性酸素が発生してしまうのですが、その発生した活性酸素のうちの過酸化水素はグルタチオン−アスコルビン酸回路と呼ばれる経路によって消去され解毒化されます。
アスコルビン酸というのが、ビタミンCの正式名称でして、つまりビタミンCが過酸化水素による酸化を防ぐ抗酸化物質として間接的に働いているのです。
この回路によって利用されたビタミンCは酸化されてデヒドロアスコルビン酸という物質になるのですが、各種酵素の働きによって再びビタミンCに還元・再生されて、再度抗酸化作用を発揮します。
それ以外に、ビタミンCは、ビタミンEの再生機能があります。
ビタミンEはアブラに溶ける性質を持つ脂溶性抗酸化物質で、細胞膜やコレステロールなどの脂質を含む物質を酸化から守ってくれる重要な抗酸化物質です。
脂質がフリーラジカルに酸化されると、隣の脂質も酸化され、酸化が次々と連鎖的におこるフリーラジカルの連鎖反応と呼ばれる状態になります。
ビタミンEはその連鎖の途中で身代わりに酸化されることで、フレーラジカルの連鎖反応を連鎖をくい止めてくれます。
こうして身代わりに酸化されたビタミンEは役目を終えて活性を失うのですが、、ビタミンCは活性を失ったビタミンEを再度抗酸化物質に復活させてくれるのです。