タバコは「百害あって一利なし」といわれるように、体に有害であるばかりで良いことは全くありません。
タバコには、三大有害物質であるニコチン、タール、一酸化窒素をはじめとする200種類以上有害物質が含まれており、そのうち発がん物質も40種類近く含まれているのです。
そんな有害なタバコですが、実は酸化とも深く関わっているのです。
タバコと酸化の関係でいえば、主に次の3つが考えられます。
まず1つ目にタバコの煙に含まれる体を酸化させる物質です。
タバコの煙には活性酸素である過酸化水素がたくさん含まれています。
過酸化水素という活性酸素は、細胞膜を通り抜けることができ、鉄などの金属イオンに出会うと非常に酸化力の強いヒドロキシル・ラジカルという活性酸素に変身する非常に厄介な活性酸素です。
タバコを吸うということは、体を酸化させる活性酸素を直接たっぷりと体内に取り入れているということになるのです。
ちなみに、タバコを吸っている本人が一番害があるように思われますが、実はタバコは喫煙者がタバコのフィルターを通して吸う主流煙よりも、点火部よりでる副流煙のほうが有害物質をたくさん含んでいます。
つまり、タバコを吸っている喫煙者本人よりも、喫煙者の周りで副流煙を吸った人の方が害が大きいのです。
次に、免疫機能よって発生する活性酸素による酸化です。
タバコの煙を吸って肺にたどり着くと、私たちの体の免疫システムは有害物質が侵入してきたことを察知します。
そうすると、その有害物質を取り除くために白血球が肺に集まり働いてくれるのですが、そのときに活性酸素を吹きかけて攻撃するのです。
肺の組織は白血球が出す活性酸素によって酸化され、破壊されてしまうという訳です。
3つ目は、タバコによるビタミンCの破壊です。
タバコは体内で抗酸化物質であるビタミンCを壊します。
タバコ1本で25〜100mgものビタミンCが破壊されるためビタミンC不足になっていまします。
ビタミンCの厚生労働省による1日摂取推奨量は100mgですので、タバコをたった2本吸うだけで1日の必要量が失われることになるのです。
ビタミンCはそれ自体に強い抗酸化力があり活性酸素を除去するうえに、抗酸化作用で役目を終えたビタミンEをまた元通りに再生させる機能もあります。
つまり、タバコの喫煙によっておこるビタミンC不足は間接的に体の酸化を進行させるのです。
このようにタバコの喫煙がもたらす体の酸化が、がんをはじめとする様々な病気の原因となっているのです。