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アスタキサンチンの強力な抗酸化力

アスタキサンチンは、エビやカニなど甲殻類の殻や鮭の筋肉の赤色など海に生息する生き物に多くみられるカロテノイドの一種です。
海藻や酵母、細菌などの微生物が太陽光の害から身を守るために造りだした成分だと考えられています。
動物は体内でアスタキサンチンを造ることはできないのですが、アスタキサンチンを生産する海藻や酵母、細菌などの微生物を食べた動物の体内に蓄積し、さらにその動物を食べた動物の体内に蓄積する…、という食物連鎖によって動物の体にもアスタキサンチンが存在しているのです。
最近ではアスタキサンチンの抗酸化作用をはじめとする優れた効果を期待してサプリメントや化粧品になどに使用されています。


アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンEの1000倍

アスタキサンチンが注目されるようになったのは、その強力な抗酸化作用が知れわたったためです。
自然界に存在する抗酸化物質の中でも最強の抗酸化作用をもつ物質の1つなのです。
アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンEの1000倍にも及ぶといわれ、そのことから、「史上最強のカロテノイド」ともいわれています。


アスタキサンチンは血液脳関門を通過できる

アスタキサンチンの特徴は、その強い抗酸化作用だけでなく、血液脳関門や血液網膜関門を通過できることです。
血液脳関門というのは、脳の神経活動のエネルギー源として必要なブドウ糖やアミノ酸などの成分だけ通過させて、不要または有害な成分は通過させないことで脳の機能を守る役割をしている防御システムです。
同じく血液網膜関門も目の網膜を異物から守るための防御システムです。
いずれの関門も通過できる成分は限られていて、血液網膜関門についてはカロテノイドではルテインとゼアキサンチン及びこのアスタキサンチンが通過することができ、その優れた抗酸化作用によって網膜で発生した活性酸素を除去して、視力の維持回復に効果を発揮しています。


さらにアスタキサンチンに関しては血液脳関門も通過できる数少ない抗酸化物質です。
血液脳関門のおかげで脳の神経細胞活動は効率よく機能することができるのですが、その反面、脳の病気には薬物を通過させないため、その治療を難しくしています。
脳の病気のほとんどが活性酸素によって引き起こされていることがわかっていますが、強力な抗酸化物質であるアスタキサンチンが血液脳関門を通過できるという発見は脳梗塞や脳卒中などの予防の希望の光となっています。
また、アスタキサンチンは神経伝達物質であるドーパミンを生産する神経細胞の細胞死を抑制する働きがあるそうで、パーキンソン病や認知症の予防に効果が期待されています。