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DNAの酸化でがんになる

今や2人に1人がかかると言われるがんですが、その発生のメカニズムには活性酸素による細胞の酸化がおおいに関わっています。


がんの発生はまずDNAの突然変異から始まります。
DNAは細胞の中の核にあって、遺伝情報を担っているところです。
生物は細胞分裂を繰り返して常に新しい細胞を作って増殖しているのですが、そのときにDNAは正確な遺伝情報法を複製して分裂する必要があります。
つまり、細胞分裂前と全く同じコピー細胞を作るための遺伝情報を提供しているのがDNAなのです。


ところで、私たちの体にはがんを作り出すがん遺伝子がもともと全ての人間に備わっています。
このがん遺伝子というのは、本来細胞の増殖を促進する成長遺伝子で、生命を維持するためにはなくてはならない遺伝子です。
一方、がん遺伝子の働きを抑える遺伝子をがん抑制遺伝子といい、細胞が勝手に増殖するのを調整してくれています。
このがん遺伝子とがん抑制遺伝子がバランスをとることで、細胞の正常な状態を保っています。


ところが、何らかの原因でがん抑制遺伝子が機能しなくなると、がん遺伝子の働きにブレーキをかけるものがなくなり、細胞の増殖が異常に行われてしまい、がんが作られることとなるのです。
このがん抑制遺伝子を機能しなくしてしまう犯人の1つが、活性酸素なのです。


活性酸素のなかでも過酸化水素は細胞膜を自由に通り抜けることができて、また、DNAが入っている核膜も自由に通り抜けることができる厄介な活性酸素です。
また、過酸化水素は金属イオンに出会うと非常に強力な酸化力を持つヒロドキシル・ラジカルに変身してしまいます。
このヒドロキシル・ラジカルがその強力な酸化力でDNAを酸化して壊してしまうと、当然遺伝情報が狂ってしまい、突然変異をおこします。
特にがん遺伝子の働きをコントロールしているがん抑制遺伝子が酸化されると、がん遺伝子が暴走して、がん細胞が増殖してしまうのです。


このように、がん予防のためにも抗酸化物質を意識的に摂取することはとても大切だということをおわかり頂けると思います。